基礎知識

ミノキシジルは副作用がある?症状や使用時の注意点を紹介

大正製薬のリアップをはじめ、数多くの発毛剤に配合されているのが有効成分ミノキシジルです。

ミノキシジル配合の発毛剤はドラッグストアや薬局で手に入りますが、第一種医薬品に指定されているため薬剤師の指導や説明がないと購入できません。

「薬剤師がその場にいないと購入できない」と副作用を心配する人もいるかもしれません。

ミノキシジルが引き起こす可能性のある副作用や副作用を起こさないための注意点を紹介します。

ミノキシジルとは

まず、ミノキシジルとはどのような成分なのか、その特徴や効果を紹介します。

発毛有効成分ミノキシジルとは

ミノキシジルはもともと米国アップジョン社(現在のファイザー社)が高血圧を改善する医薬品の成分として開発した成分です。

この医薬品を服用していた患者に増毛の副作用が見られたため、ミノキシジルを発毛剤として活用できるように研究が進められ、1988年にAGA治療薬としての公的に承認を受け、世界的な有名な発毛剤である「ロゲイン」が発売されました。

日本でもっとも有名なミノキシジル配合の発毛剤は1998年に大正製薬から発売されている「リアップ」です。

ミノキシジルはなぜ発毛に効果を発揮するのか

ミノキシジルは元々血圧降下剤としての効果を持つ成分なので血管を拡張します。

血管が拡張されると血流が向上するので、栄養や酸素が毛乳頭細胞や毛母細胞に届きやすくなります。

毛乳頭細胞や毛母細胞に栄養や酸素が行き渡ると毛母細胞が刺激を受け、発毛を促すのです。

また、ミノキシジルはヘアサイクルの乱れを正常にする働きを持ちます。

ヘアサイクルとは毛髪が発毛してから成長期を経て退行し脱毛するまでの周期で、AGAはヘアサイクルが乱れて毛髪の成長期が通常より短期で終了し脱毛することが原因です。

ミノキシジルは毛乳頭細胞や毛母細胞に栄養を届けるので健康な毛髪を育ちやすいように環境を整え、ヘアサイクルを正常にします。

ミノキシジルが効果を発揮する人とは

ミノキシジルが効果を発揮するのはAGA、壮年性脱毛症といった髪の悩みを持つ人です。

疾病による急激な脱毛や円形脱毛症は効果を発揮しません。
ちなみに家族や親戚に脱毛症の人がいない、という人は壮年性脱毛症ではない可能性が高いのでミノキシジルが効果を発揮しにくいでしょう。

代表的なミノキシジル配合の発毛剤

ミノキシジル配合の発毛剤にはどのようなものがあるのか、代表的な発毛剤を紹介します。

外用薬(リキッドタイプ、フォームタイプ)

「ミノキシジル配合の発毛剤」とは塗布するタイプの医薬品で、ミノキシジル配合の発毛剤の元祖はアメリカのロゲインです。

ロゲインは世界でもっとも知名度の高い発毛剤といえますが日本で販売していません。

ちなみに、大正製薬のリアップは大正製薬がアップジョン社からミノキシジルの販売権利を取得してから発売されたロゲインのジェネリック(後発品)的存在です。

日本で発売されているミノキシジル配合の発毛剤は大正製薬のリアップの独壇場でした。

しかし、発売から20年が経過した2018年にミノキシジルに関する特許が切れ、様々なメーカーからジェネリックが発売されています(CMでもおなじみのアンファーのスカルプDもその一つです)。

ジェネリックは後発品とは言え成分はリアップとほぼ同じです。リアップと同様の効果が見込めます。

内服薬

ミノキシジル配合の内服薬は「ロニテン」など複数の医薬品が存在しますが、これらの医薬品は全て血圧降下剤であり「発毛剤としてのミノキシジル医薬品はどの国も承認していない」のでご注意ください。

ミノキシジルを服用すると副作用の可能性が高くなるからです。日本でも当然承認されていません。

発毛剤として承認されていないミノキシジルの内服薬をAGA治療のために医師が処方できることに不思議に思われる人もいるかもしれません。

これは、日本には「患者が強く希望すれば医師は断れない」という法律があり、さらに「医師と患者が副作用のリスクを理解しているのであれば処方が認められている」からです。

ただ、ミノキシジルの内服薬は患者の安全のために処方しない、という医師も多数存在しており、医師によっても処方するかどうかの判断は異なります。

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルを使用するとどのような副作用が起きるのでしょうか?
具体的な症状と副作用が起きる原因を紹介します。

ミノキシジル配合の発毛剤は安全です!

ミノキシジル配合の「発毛剤(いわゆる外用薬)」は安全です。

ミノキシジルの発毛剤はAGA改善に数多くの実績があり、様々なメーカーから発売されていますが、重篤な副作用が発生した、という事例はほぼありません。

正しく使用すればほぼ問題はないのでご安心ください。
ただしこれはあくまでも外用薬の話で内服薬は副作用が起きる可能性があります。

ミノキシジルの副作用とは

ミノキシジル配合の発毛剤を使用すると起こる可能性のある副作用の症状を紹介し、その原因を解説します。

初期脱毛

ミノキシジル配合の発毛剤に限らず、発毛剤や育毛剤を使用すると脱毛がひどくなることがあります。

ただしこれは副作用ではなく初期脱毛という状態の一時的な脱毛であり、脱毛の改善や発毛の促進に効果が出ている証しです。

AGAはヘアサイクルが乱れて毛髪が成長しきらずに抜けてしまうことにより薄毛が促進します。

しかし、発毛剤や育毛剤を使用して効果が出始めると毛乳頭細胞や毛母細胞は健康な毛髪を発毛するために成長していない毛髪を強制的に脱毛させます。
そのため一時的に脱毛が増える状態になるのです。

皮膚のかゆみやかぶれ、赤み

発毛剤を使用すると頭皮がかゆくなったりかぶれたり、ふけが増えたりといった症状が出る人がいますが、これは使用している発毛剤に配合されている成分の中に自分に合わない成分が含まれているからです。

ただ、こういた症状はミノキシジル配合の発毛剤だけではなくどの発毛剤や育毛剤でも起こりうることです。

発毛剤を使用して皮膚の疾患が出たのであれば体質的に合わない可能性が高いため直ちに使用をストップしたほうがいいでしょう。

動悸・息切れ・胸の痛み

ミノキシジルは血管を拡張し血流を変化させるため心臓の働きに影響を与えることがあります。

心臓に負担がかかると動悸や息切れ、胸の痛みを引き起こし、場合によっては不整脈や狭心症といった副作用が起きます。

めまい・頭痛

ミノキシジルはもともと血圧降下剤に使用されている成分のため、服用すると急激に血圧が下がることがあります。

血圧の低下によってめまいが、また、脳内の血流の循環に影響を与え頭痛を起こすといった副作用が起きる可能性があります。

むくみ・急激な体重増加

ミノキシジルは腎機能にも影響を及ぼすこともあります。

腎機能が低下すると身体の代謝機能が低下し水分や老遺物、毒素が体外に排出されなくなり手足のむくみや急激な体重増加といった副作用を引き起こします。

ちなみに、血圧降下剤としてのミノキシジル内服薬を処方される場合、併せて利尿剤も処方されることが多いようです。

多毛症

ミノキシジルによって血流が向上することにより頭皮だけではなく全身の毛母細胞に栄養や酸素を送り届け、その結果全身の毛が濃くなった、という副作用が起きる可能性があります。

毛深い人はさらに毛が濃くなるかもしれません。

ミノキシジルの注意点

ミノキシジル配合の発毛剤は効果が高く安全ですが、使用してはいけない人もいますし発毛の効果を出すために注意しなければいけないことがあります。

ミノキシジルの注意点を紹介します。

継続しなければ効果が出ない

ミノキシジルが効果を発揮するのは最短でも3か月後、少なくとも半年以上は継続して使用しないといけません。

理由は乱れたヘアサイクルが正常化するにはどのような人でも最低3か月必要だからです。使用して1か月や2か月で効果が出ないからといって諦めてはいけません。腰を据えて付き合いましょう。

ミノキシジルの使用を避けたほうがいい人

ミノキシジルは脱毛や薄毛の悩みを全て解決する、という訳ではありません。

ミノキシジルを使用してはいけない人、避けたほうがよい人を紹介します。

未成年・女性

未成年や女性はミノキシジルの安全性が証明されていませんし効果が実証されていません。使用を避けてください。

心臓・腎臓に疾患のある人

前述の通りミノキシジルは心臓、腎臓に負担をかけます。

心臓や腎臓に疾患のある人でミノキシジルの使用を検討しているのであれば必ず医師に相談しましょう。

血圧の高い/低い人

血圧に異常がある人もミノキシジルは避けて下さい。

ミノキシジルが血圧に働きかける力を持つからです、ミノキシジルを使用することにより血圧の異常が悪化するかもしれません。

甲状腺障害のある人

甲状腺機能障害の人は甲状腺ホルモンを過剰分泌し、必要以上の新陳代謝を活発にします。

その症状の一つに脱毛が挙げられますが、甲状腺機能障害の人がミノキシジルの発毛剤を使用すると脱毛は改善せずに悪化します。

個人輸入は自己責任

インターネットの普及により海外の発毛剤が個人輸入代行で安価に手軽に入手できるようになりました。

しかし個人輸入はどのような商品を購入しても自己責任だということは忘れないでください。

たとえ購入した商品に品質に問題があっても、使用して副作用が起こったとしても粗悪品だったとしても、です。

副作用が出ないようにするには?

いくらミノキシジルが安全とはいえ正しく使わないと副作用が起きる可能性があります。安全に使うための方法を紹介します。

用量を守る

ミノキシジル配合の外用薬の一日の使用量はどの商品も1mlと定められています。

この使用量は必ず守ってください。
1mlと聞くと少ないと思うかもしれませんが、多くの量を使用したからといって効果が増すというものでもないですし、副作用が起きる可能性が起きる可能性が発生します。

なにより不経済です。

併用してはいけない薬

ミノキシジルは血管を拡張するため、同様の働きを持つ薬との併用は避けたほうがよいでしょう。

血圧が急激に変化する可能性があるからです。
具体的にはED治療薬、血圧降圧剤などです。

内服薬は医師の指導のもとで服用する

ミノキシジル内服薬は発毛剤として発売されていた時期もありました。

しかし現在は発毛剤として発売されていませんし承認している国もないリスクのある医薬品です。

現在ミノキシジル内服薬は個人輸入で購入可能ですが医師の処方で購入した法が安全です。

まとめ

ミノキシジル配合の外用薬には副作用はほぼない、と言っていいでしょう。

ただしミノキシジル配合の発毛剤は医薬品ですのでリスクはありますし長期間にわたり付き合わなければいけません。くれぐれも正しい使い方をしてください。

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