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発毛サイクル毛髪はどうやって作られていくの?毛が生え変わる毛周期(ヘアサイクル)とは

年齢とともに毛髪の悩みを抱える人が多くなります。

悩みを解決するには、まずは仕組みを理解しておくことが大切です。

では、毛髪はどうやって作られていくのでしょうか。
毛が生え変わる毛周期(ヘアサイクル)について、詳しくお伝えしていきましょう。

毛髪はどうやって作られていくの?毛が生え変わる毛周期(ヘアサイクル)とは

毛髪は毛根によって成長します。

成長した髪は頭皮全体の9割を占めており、残りの1割は成長が終わって抜け落ちていきます。

健康的な頭皮では、このサイクルが循環しており、常に新しい髪に少しずつ生え変わっているのです。

毛根から髪は成長する

髪は毛根で成長します。

毛根には毛包によって髪を包むようにできており、その一番深い部位である「毛球」では球状になっていて栄養分を髪の先端に送っています。

毛球は「毛母細胞」と「毛乳頭」によって構成されています。

毛球のすぐ内側には毛乳頭と呼ばれる部位があり、毛細血管から栄養分を取り込む役割を持っています。

採り込んだ栄養分は毛球の内部にある毛母細胞に送られることになります。

受け取った栄養分をもとにして、毛母細胞は細胞分裂を行い、毛がどんどんと成長していくのです。

また、毛乳頭ではさまざまな物質を分泌していることも知られており、毛母細胞の増殖をコントロールしています。

メラニンで髪の色が決まる

メラニンとは毛母細胞にある色素のことで、メラニンが多いほど髪の色は黒くなります。

逆に言えば、メラニンが少なくなってくると白髪になってしまいます。+一般的には30歳を超えると、メラニンが少なくなってくるために白髪が多くなると考えられています。

メラニンとは色素形成細胞であるメラノサイトで作られているものであり、チロシンと呼ばれるアミノ酸を原料としてメラニン合成酵素が作り出しているものです。

メラノサイトで作られたメラニンは、髪に供給されることによって髪が黒くなってくるのです。

このメラノサイトには「MITF遺伝子」と呼ばれる遺伝子が存在し、メラニン合成酵素でありチロシナーゼなどに働きかけることでメラニンを作り出しています。

MITF遺伝子が正常な役割を果たし、メラニン合成酵素が活性化しているときには、どんどんメラニンを作り出して白髪を黒髪にしています。

しかし、このMITF遺伝子が少なくなってしまうと、メラニンを作り出すための司令ができなくなってしまい、髪を黒くすることができなくなってしまうのです。

一般的にはMITF遺伝子は加齢によって減少することが知られています。

毛周期(ヘアサイクル)とは

  • 成長期 2~6年
  • 退行期 2~3週間
  • 休止期 3~4か月

髪は、毛周期(ヘアサイクル)によって生えかわりを繰り返しています。

この毛周期を大きく分けると「成長期」「退行期」「休止期」の3段階となっています。

成人の頭髪の場合では、一日に100本以上が抜け変わっていますが、毛髪は10万本以上あるために本数は保たれており、髪一本一本の毛周期も異なっています。

「成長期」は2~6年の周期となっており、初期から中期、後期へと進んでいきます。

古い髪が抜け落ちると、毛根にある毛母細胞が積極的に細胞分裂を繰り返し、新しい髪が成長を始めます。

頭皮全体の9割は成長期の髪であると言われています。

「退行期」は成長しきった髪が2~3週間程度をかけて成長が止まってしまう時期となっています。

毛根の毛母細胞の分裂がなくなってしまい、少しずつ休止期に移行していきます。

「休止期」は毛根での活動がすべて休止している状態で、頭皮全体の約1割は休止期であると知られています。

この時期は3~4か月程度となっており、この時期を経て、再び新たな毛母細胞が成長してくることによって、古い毛を押し出して抜け落としてしまいます。

乱れている毛周期(ヘアサイクル)とは

毛周期が乱れてしまうと、本来成長するはずの髪の毛が十分に育たなくなってしまい、抜け毛が多くなったり、ハゲの部分が多くなったりします。

健康な髪の人であっても、毛周期によって一定量の髪は抜け落ちて生え変わりますが、その量が多いのであれば髪や頭皮の健康が損なわれている可能性があります。

乱れている毛周期(ヘアサイクル)

上記では健康的な毛周期についてご紹介しましたが、毛周期が乱れてしまうことによって薄毛になったりハゲになったりすると考えられています。

乱れている毛周期の特徴として、成長期が短くなっていることが分かります。

健康な髪の場合、成長期は2~6年程度ですが、十分に成長に至る前に休止期に入ってしまいます。

本来ならば成長期に少しずつ髪を太く丈夫に成長させていくのですが、乱れてしまうことによって十分に成長させることができなくなってしまいます。

そのため、髪が全体的に細くなってしまったり、短いまま抜け落ちてしまうようになり、全体的なボリュームが少なくなってしまいます。

また、休止期が長くなってしまうことも知られています。

これは頭皮の血行が悪くなってしまうことによって、毛母細胞に十分な栄養が行き渡らなくなってしまい、細胞分裂が行われなくなってしまいます。

細胞分裂が行われなくなってしまうと、新しい髪が生えないようになってしまい、その部分がハゲになってしまうのです。

一日に抜ける髪の毛の量は?

健康的な髪の場合には、毛周期の流れによって一日に抜ける量は100本程度であると言われています。

シャンプーなどで抜け落ちる髪が気になる方も多いですが、髪が健康であれば自然に抜け落ちるものですので、心配する必要はありません。

ただ、明らかに抜け落ちる量が多いのであれば、毛周期が乱れてしまっている可能性があります。

もし、枕などにいつも以上の髪が抜け落ちている状況に気が付いたのであれば、すでに頭皮や髪の健康に何かしら問題が生じている可能性があります。

そのため、次にご紹介する毛周期の乱れてしまう原因を突き止めて、対処する必要があります。

毛周期(ヘアサイクル)が乱れてしまう原因

  • 生活習慣の乱れ
  • 栄養バランス
  • ストレス
  • AGA

毛周期(ヘアサイクル)が乱れてしまう大きな原因として、上記4つにまとめることができます。

これらの原因を感じているのであれば、速やかに改善させる必要があります。

生活習慣の乱れ

健康的に生活することによって頭皮の血流によって栄養分を毛根に届け、健康な髪をつくることができます。

しかし、夜更かしによって睡眠不足となってしまったり、過度な飲酒や喫煙によって毛周期が乱れてしまうことがあります。

睡眠不足のような生活リズムの乱れは、自律神経の働きを悪くしてしまい、身体全体の血流量を低下させてしまうことが指摘されています。

特に、冷え性などが生じているような場合には、手足の血流だけではなく、頭皮への血流量も低下させているのです。

また、過度な飲酒によっても睡眠状態を悪くしてしまい、同様な状態へと悪化させてしまうことになります。

アルコールを摂取すると髪の生成に必要な亜鉛を消費させてしまうことも知られており、髪の栄養不足を招いてしまうことになります。

喫煙はニコチンの作用によって、血管を収縮させてしまうと言われています。

そのため頭皮の血流量も低下することになり、毛周期が乱れてしまう原因となってしまうのです。

栄養バランス

髪は主成分がたんぱく質であり、そのほかにもビタミンやミネラルなどによって構成されています。

つまり、それらの成分がしっかりと届けられていないと、髪や頭皮が栄養不足を起こしてしまい毛周期が乱れてしまう原因となってしまうのです。

ビタミンB2やB6といったB群については、代謝を促進させる作用がありますので、毛周期には欠かせない栄養となっています。

またビタミンEは血行を促進させる作用がありますので、髪に栄養を届けるうえでとても重要な栄養源と言えるでしょう。

さらに、ミネラルの中でも亜鉛が重要であると考えられています。

髪の主成分であるケラチンの合成には、亜鉛が必要となりますので、しっかりと摂取しておく必要があるのです。

注意しなければならないのは、ジャンクフードなど栄養バランスが良くない食べ物が、周りにたくさんあるということ。

普段から外食を繰り返していたり、コンビニを利用することが多いのであれば、今一度、自身の栄養バランスを見直しておくことをおすすめします。

仕事が忙しいとしても、栄養バランスを考えた食生活を心がけるようにしましょう。

ストレス

職場や学校での人間関係やトラブル、育児や介護、忙しすぎる生活など、現代社会にはさまざまなストレスの要因が存在します。

また責任感が強かったり、自己肯定感が低かったり、完璧主義などであっても、ストレスに感じてしまう場面が多くなってしまいます。

これらのストレスは、血流を低下させてしまう原因となってしまい、毛周期を乱れさせてしまう原因となるのです。

私たちは自律神経の働きがあって、仕事中などでは緊張感を持って働くことができ、自宅ではリラックスして過ごすことができます。

しかしストレスを受け続けていると、自律神経の働くが悪くなってしまい、リラックスできるはずの自宅でもリラックスできなくなってしまうのです。

そのような状況が続いてしまうと、血管が収縮してしまうようになり、頭皮への血流量も低下して、栄養の供給が悪くなってしまうのです。

そのため、ストレスを感じているような場合であれば、解消できる方法を持っておくことや生活リズムを大切にするなど、心身への負担を減らすようにすることが大切です。

AGA

AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略であり、「男性型脱毛症」と呼ばれるものです。

成人の男性に多い症状ですが、思春期以降にひたいの生え際や頭頂部の髪が薄くなってくる状態のことを指しています。

AGAの原因として「遺伝」「男性ホルモン」の影響が大きいと考えられており、毛周期の乱してしまう大きな原因であるともいわれます。

男性ホルモンである「テストステロン」が、頭皮に存在する酵素である「5αリダクターゼ」と結合することによって、髪を細くしてしまったり、薄くしてしまったりする原因の「ジヒドロテストステロン」を作り出してしまいます。

ジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれることによって、毛周期の成長期を短縮させ、退行期へと早く移行させてしまうのです。

上記でご説明した、毛周期が乱れている状況ですね。

本来、成長期は2~6年程度であるはずですが、完全に成長しきる前に退行期に移ってしまうために、髪が細いままになったり、抜けてしまったりするのです。

AGAはどんどん進行してしまい薄毛やハゲを作り出してしまいます。

そのため、上記の原因である生活リズムの乱れ、栄養バランスの乱れ、過剰なストレスなどがあれば、いち早くその状況を取り除いてやる必要があります。

ただ、AGAが進行している状況においては、ジヒドロテストステロンの生成を止めることは難しいために、クリニックなどで治療を受け続ける必要があります。

まとめ

毛周期は髪の毛1本ごとに異なるものであり、髪が抜けたからといっていきなり薄毛になったりハゲになったりするものではありません。

そのため、健康的な頭皮や髪なのであれば、心配することはないのです。

しかし、毛周期が乱れてしまうと、抜け毛の量が増えてきたり、髪質に変化がみられるようになったりします。

そのような場合では、生活習慣や食生活などを見直すことが大切になります。

また日常的にストレスを発散に取り組むことが必要になるでしょう。

それでも毛周期が改善しないのであれば、AGAである可能性があります。

生活習慣等を改善しても髪が薄くなったり細くなったりしたときは、早めに専門のクリニックを受診するようにしましょう。

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