基礎知識

ザガーロなAGA治療薬として安全?副作用と注意点を解説

AGA治療の新薬、デュタステリドが配合され注目されているのがザガーロです。

ザガーロを使用したい人にとって、気になるのは「効果の高さ」と同時に「副作用」ではないでしょうか?

ザガーロの副作用の症状や発生する確率を解説するとともに、ザガーロを安全に使用するための方法や注意点を紹介します。

ザガーロの副作用とは

医薬品にはどのような製品でも必ず副作用のリスクが伴います。

ザガーロに配合されているデュタステリドにはどのような副作用を起こす可能性があるのか、デュタステリドの効果と特徴とともに解説します。

ザガーロとは

ザガーロ(商品名:ザガーロカプセル)はグラクソ・スミスクライン社が開発したAGA治療薬です。

配合されている有効成分、デュタステリドはもともと前立腺肥大の治療薬(商品名:アボルブ)として開発されました。

アボルブを服用していた患者から、増毛や薄毛の解消という副作用が見られたため、AGA治療薬ザガーロが承認されました。

日本では2015年に承認され、2016年から発売されています。

ちなみに、デュタステリドがAGA治療薬として承認されているのは日本と韓国の二カ国だけです。

他の国はデュタステリドの商業的な成功が期待できない、というビジネス上の判断で申請を行っていません。

同様の成分を持つプロペシア(フィナステリド)が既に市場に浸透しているからです。

ザガーロはなぜAGAに有効なのか

AGAが起きるのは男性ホルモンの一種、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変化し増殖することが原因です。

DHTが毛髪の成長を止め、早期に脱毛してしまうことによって薄毛が進行するのです。

テストステロンは酵素の一種である5αリダクターゼによってDHTに変化します。

デュタステリドはこの5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生産量を抑えます。その結果、太くて健康な毛髪の成長を促すのです。

プロペシア(フィナステリド)との違い

5αリダクターゼの働きを抑えるAGA治療薬としてプロペシア(有効成分:フィナステリド)があります。

デュタステリドとフィナステリド、この二つの有効成分は作用に違いがあります。

DHTを生成する5αリダクターゼはⅠ型、Ⅱ型がありますが、フィナステリドはⅡ型にしかにしか作用しません。

ところがデュタステリドはいずれの働きも阻害します。

AGAにはデュタステリドのほうが高い効果を得ることができます。

ちなみに、デュタステリドはフィナステリドがカバーできない部分の薄毛にも有効です。

フィナステリドは前頭部の薄毛の解消は難しいと言われていますが、デュタステリドは頭皮全体の薄毛を改善も期待できます。

ザガーロの副作用

それでは、ザガーロを服用することによって起こる可能性のある副作用の具体的な症状と特徴を紹介します。

さらに、それぞれの症状が起こる頻度や確率も紹介します。

初期脱毛

ザガーロのみならず、育毛剤や発毛剤を使用すると脱毛が増えた、薄毛が進行した、という症状が見られることがあります。

これは副作用ではなく「初期脱毛」という症状で、育毛剤や発毛剤が効果を発揮しだした証拠です。

AGAは毛髪が太くて健康な毛髪に成長せずに脱毛することが原因です。

育毛剤や発毛剤を使用して効果を発揮すると、毛母細胞が活性化し健康な毛髪を発毛させるために細い毛髪を脱毛します。

初期脱毛が起こると薄毛が進行したように思うかもしれませんが一時的なものです。ご安心ください。

肝機能障害

デュタステリドを服用すると肝機能障害が起きる可能性があります。

原因はデュタステリドを服用すると、成分が肝臓で代謝するので肝臓に負担がかかるためです。

健康な人なら肝機能障害が起こる確率は非常に稀ですが、既に肝機能に異常のある人は注意が必要です。

ただし、肝機能障害はデュタステリドに限った話ではありません。
服用するタイプの医薬品は全て肝臓で代謝されるため、全ての医薬品で肝機能障害が起きる可能性がある、とご認識ください。

ED・性欲減退・精液減少

デュタステリドは男性ホルモンに作用するため、勃起不全や性欲減退、精液減少といった副作用が見られることがあります。

これらの副作用が出る頻度について、第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験での結果が報告されています。

ちなみに、勃起不全の頻度は4.3%、性欲減退は3.9%、精液減少は1.7%です。

決して高い頻度とは言えませんが、このような症状が出た場合は服用を中断して医師に相談してください。

過敏症

蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管浮腫などといった副作用が出る可能性があります。

これらの副作用は使用者の自発報告もしくは海外のみで報告されている症状です。
稀にしか出ない副作用と言ってもよいでしょう。

乳房障害、精神神経系

乳房の女性化、乳頭痛、乳房痛、乳房の不快感といった副作用も報告されています。

これらの副作用もデュタステリドが男性ホルモンに作用することが原因と言われています。

ちなみに、このような副作用が報告されたのは1%未満の頻度です。

また、抑うつ気分、頭痛など精神神経系の副作用の症状が報告されることもあります。
しかし発生する頻度は1%未満です。

ザガーロの使用を避けたほうがよい人

ザガーロは副作用が起こりにくく、しかも高い効果が期待できるAGA治療薬です。

しかし効果が出ない人もいれば使用してはいけない人もいます。
ザガーロの使用を避けたほうがよい人はどのような人でしょうか?

AGA以外の脱毛症の人

デュタステリドはAGA(男性型脱毛症)、壮年性脱毛症に効果を発揮しますので、それ以外の脱毛症に効果は期待できません。

例えば、ストレスによる脱毛症や円形脱毛症、疾病による脱毛症、薬による副作用による脱毛症などです。

また、毛根が抜けきった人に対して健康な毛髪を育てる、という効果はありません。

未成年・女性

デュタステリドは未成年と女性に対する安全性が証明されていません。

女性、特に妊娠中や授乳中の方が摂取することは厳禁です。

デュタステリドは男性ホルモンに作用するため、胎児や乳児が男児だった場合生殖機能に影響する可能性があるからです。

しかも、デュタステリドは皮膚からも吸収します。
女性はデュタステリドの成分を触れることもさけてください。

肝機能障害のある人

前述した通りデュタステリドが肝機能に影響を与えます。

肝機能障害を持っている人の全てがデュタステリドを服用してはいけない、という訳ではありませんが注意が必要です。

血液検査で肝臓に関する数値(AST(AOP)、ALT(GTP)、γ-GTP)が高い人は医師に相談して判断を仰いでください。

ザガーロを安全に使用するには

ザガーロは正しく服用すれば副作用が起きる可能性は低いですが、使用法を誤るとリスクの可能性が発生します。

ザガーロを安全に使用するための方法を紹介します。

用量を守る

デュタステリドの一日の摂取量は決まっています。

飲み忘れたからと言って翌日に2日分を服用する、ということはさけてください。

安全な医薬品とは言え摂取する量が多いと副作用のリスクが高まります。
また、日々の服用する時間を決まった時間にしましょう。

昼夜問わず不定期な時間に服用すると一日の摂取量が増えることになるからです。

カプセルを割ってはいけない

ザガーロはカプセルタイプの錠剤です。
決してカプセルを開けて中身を出さないようにしてください。

理由は何らかの理由で飛び散ったデュタステリドを女性が触れてしまう可能性があるからです。

デュタステリドの成分に触れた女性が妊娠中、授乳中の女性だった場合、深刻な影響を与える可能性があります。

自分のためだけに使う

ザガーロは人に譲渡せずに自分のための使うように心がけてください。

医師の指導を受けずに禁止条項を知らない人が誤った使い方をする可能性があります。
例えば用量を越えて服用してしまう、

女性に触れさせてしまう、といった使い方です。

医師の指導に従う

初めてデュタステリドを使用する人は医師の診断を受けることをおすすめします。

日本でザガーロを購入するためにはAGAの治療を行っているクリニックや病院、もしくは個人輸入で海外製品を入手する、という二つの方法しかありません。

AGA治療は保険適用外で費用がかかるため、個人輸入でデュタステリド製品を購入したいと考えている人もいるでしょう。

デュタステリドは副作用が起こる可能性は非常に低いのですがゼロではありませんし体質に合わないかもしれません。

デュタステリドの使用の可否は医師の判断を仰ぐほうが安全です。

ザガーロの注意点

ザガーロは使用時以外にも忘れてはいけないポイントがいくつかあります。
ザガーロの注意点を紹介します。

ザガーロ服用時には献血ができない

ザガーロを服用している人は献血してはいけません。

理由は、デュタステリドの成分を含んだ血液を安全性が証明されていない女性や未成年に輸血する可能性があるためです。

また、ザガーロの服用を中止した人でも最低半年間は輸血しないでください。
デュタステリドの半減期は長く、半年間は成分が体内に残留します。

前立腺がん検査の際には申告すること

ザガーロを服用している人が前立腺がんの審査を受ける際には、ザガーロを服用していることを事前に申告してください。デュタステリドがもともと前立腺肥大の治療目的に開発された医薬品のため、前立腺検査の数値に影響を与え正しい数値が出ないからです。

ザガーロの効果が出るには時間がかかる

AGAの治療には時間がかかります。

ザガーロの服用を開始しても1か月や2か月で効果が出るものではありません。
少なくとも半年は経過しないと効果が見られないですし、1年間は服用を継続する必要があります。

AGA治療が効果を発揮しても、頭皮や毛根が健康な毛髪を育てる環境を整えるまでには半年間は時間が必要です。

ザガーロは耐性がつく?

ザガーロは長期間服用しなければ効果を発揮しませんが、長期にわたり医薬品を服用すると耐性がつくのでは?と思う人もいるかもしれません。

耐性とは同じ薬を繰り返し服用すると効果が薄れることで、ステロイドや抗生物質を長期間服用すると耐性がつくと言われます。

しかしザガーロは耐性がつく医薬品ではないので安心して服用してください。

併用禁忌薬はある?

デュタステリドに併用禁忌薬はありません。

クリニックでは、デュタステリドと併せて発毛効果のあるミノキシジルやED治療薬を併せて処方することもあります。

ただし、併用する際に注意が必要な薬もあるのでご注意ください。

例えば、酵素の一種であるCYP3A4を阻害する薬品と併用すると血中の薬剤成分の濃度が上がります。

このような医薬品と併用する際には必ず医師に相談してください。
また、この他にも服用している薬があれば医師に相談しましょう。

まとめ

ザガーロ(デュタステリド)の副作用と安全な使用法を紹介しました。

ザガーロは副作用が起こる確率が非常に低い安全性の高いAGA治療薬で、正しく使用するのであれば心配は無用です。

ただし、体調や大尉室によっては副作用が起きる可能性が高くなります。
現在個人輸入でデュタステリドを安価に入手できます。

しかし、まずは医師の診察を受けてデュタステリドが自身の体質や体調に合っているかどうかを判断してもらいましょう。

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