基礎知識

フィナステリド錠は頭髪の悩みにどう働くのか?効果を検証

AGA治療に有効な成分の一つにフィナステリドがあります。

フィナステリド錠はどのような効果や副作用があるのかを実証するとともに、フィナステリドの経口薬、フィナステリド錠の注意点を紹介します。

フィナステリドが配合されているプロペシアのジェネリックが「フィナステリド錠」と呼ばれていますが、ここではフィナステリド錠を配合している経口薬全般をフィナステリド錠として紹介します。

フィナステリドとは

AGA治療で活躍するフィナステリドとはどのように脱毛や薄毛を改善するのか、その由来や特徴などを紹介します。

有効成分フィナステリドとは

「フィナステリド」とはアメリカのメルク社が前立腺肥大を治療するために開発した成分です。

フィナステリドを配合した医薬品を服用している患者に毛髪の成長や薄毛の改善が見られたため、フィナステリドがAGA治療薬としても使用されるようになりました。

まず、フィナステリドが持つ特徴やなぜAGA治療に効果的なのかを解説します。

フィナステリドの特徴

哺乳類にはテストステロンという筋肉増大や骨格の発達を助ける働きを持つ男性ホルモンがあります。

テストステロンはより強力な男性ホルモン、DHT(ジヒドロテストステロン)に変化することがあります。このDHTが過剰に算出されると前立腺の受容体と結びつき前立腺肥大や前立腺がんを引き起こします。

また、毛髪の成長をストップします。
フィナステリドはテストステロンがDHTに変化しないようにする働きを持ちます。

フィナステリドが効果を発揮する人

フィナステリドはAGAや壮年性脱毛症など男性型の脱毛症に有効な成分です。

これはフィナステリドが男性ホルモンに大きく作用するためです。
病気による急激な脱毛、円形脱毛症や女性には効果を発揮しません。

フィナステリドがAGA治療にもたらす作用

AGAはヘアサイクルの乱れが原因ですが、フィナステリドはヘアサイクルの乱れを正常化し脱毛を防ぎます。

「ヘアサイクル」とは毛髪が発毛し、成長期、退行期を経て、脱毛するまでの周期のことです。

通常毛髪の成長期は2~6年間ですが、ヘアサイクルが乱れると毛髪が十分に成長しないうちに退行期を迎え通常より短期間で抜け落ちてしまい、結果的に薄毛を進行させてしまいます。

これは前述の通りDHTが毛髪の成長をストップするためです。フィナステリドはテストステロンがDHTに変化しないように働きかけ脱毛を防ぐのです。

フィナステリドに発毛効果はある?

フィナステリドは脱毛を予防するための成分であることため発毛を促進する成分ではありません。

ただし、フィナステリドの臨床データでは発毛が見られた、という症例もあります。
原因は不明ですが発毛する可能性はゼロではありません。

フィナステリドが配合されている医薬品を解説

それでは、フィナステリドが配合されている医薬品、フィナステリド錠について解説します。

プロペシア

フィナステリドが配合されている代表的なAGA治療薬はメルク社が開発したプロペシアです。

プロペシアは世界60カ国以上で発毛剤として承認されており、日本では万有製薬(現在のMSD株式会社)が2004年に認可を取得し2005年から発売しています。

ちなみに、「プロペシア」とはMSD社の商標登録名ですので同社以外がフィナステリド配合の医薬品にこの名称をつけることはできません。

フィナステリド錠を服用すると効果を実感できるのはいつ?

フィナステリドの服用を開始すると効果を発揮するのは4ヶ月~6ヶ月後と言われています。

フィナステリドが乱れたヘアサイクルが正常化するためには数カ月間の時間がかかるためです。

フィナステリドの服用を継続すると服用開始から6ヶ月~1年で抜け毛が減り健康な毛髪が増えていき、1年後に全体的に毛髪のボリュームが増えることが実感できます。

フィナステリドを使用するのであれば長期間付き合わなければ効果を実感できません。

プロペシアのジェネリック

2005年にプロペシアが発売されてからフィナステリドが配合されている医薬品はプロペシアの独壇場でしたが、2015年に特許が切れて後発品(ジェネリック)の発売が解禁されました。

日本では現在10社の製薬会社からフィナステリド錠が販売されています。

後発品とはいえ成分はプロペシアとほぼ同様ですしファイザー製薬や沢井製薬、クラシエ(旧カネボウ)といった大手製薬会社から販売されているので安心です。

ちなみに、海外製薬会社から発売されている製品も多数存在します。代表的な商品はグラクソ・スミスクライン社の「ザガーロ」です。

フィナステリド錠を購入する方法

日本でフィナステリド錠を手に入れるには、AGA治療クリニックで処方してもらうか個人輸入代行で購入する、という方法しかありません。

クリニックで処方された場合の価格は、クリニックによって設定が異なりますがプロペシアが6000~8000円、ジェネリックで4000~6000円程度(それぞれ28錠)です。AGA治療は保険適用外なのでどうしても高額になってしまいます。

フィナステリド錠の注意点

医薬品には必ず副作用やリスクがあります。
フィナステリド錠を安全に使用するための注意点を紹介します。

フィナステリドを使用してはいけない人

未成年や女性はフィナステリドを使用してはいけません。
安全性が実証されていないからです。

特に女性はで妊娠中の人は要注意で、錠剤に触れることも避けたほうがよいでしょう。

もし傷がついていてフィナステリドの薬効成分が露出していた錠剤に触れると、胎児に悪影響を与える可能性があるからです。

フィナステリドの副作用

フィナステリド錠は安全な医薬品です。
しかしまれに副作用が起こることもあります。可能性のある症例を紹介します。

かゆみ・湿疹

フィナステリドやその他の成分が体質に合わない場合皮膚の疾患を起こすことがあります。

アレルギーがある人は候補となるフィナステリド錠の成分表を確認しましょう。

男性機能低下

フィナステリドが男性ホルモンに作用するために生殖機能に影響を与えることがあります。

具体的にはED、射精障害、精液減少などといった男性機能の低下です。

肝機能障害

極めて稀ではあるものの肝機能障害が原因のだるさや食欲不振、黄疸が出るなどが起こることもあります。

これはフィナステリドが肝臓で代謝されるためです(これはフィナステリドだけではなく多くの医薬品でも同様のことが言えます)。

肝機能に障害がある人がフィナステリドの使用するのであれば事前に医師に必ず相談してください。

フィナステリド錠とED治療薬との併用は可能?

フィナステリドを服用することにより男性機能が低下する可能性がある、と紹介しましたが、フィナステリド錠とED治療薬を併用したいと希望する人もいるでしょう。

医薬品によっては併用禁忌薬もありますがフィナステリドはED治療薬と併用しても特に問題はありません。

フィナステリド錠とED治療薬を併せて処方するクリニックもあります。

フィナステリド錠を使用時の注意点

フィナステリドを使用する際に必ず守らなければいけないポイントを紹介します。

一日の使用量

フィナステリド錠は基本的に0.2ml1錠を一日一回服用します。

症状によっては適宜増量が可能ですが一日1mlが上限です。
これ以上服用しないようにしましょう。身体に悪影響が出る可能性があるためです。

フィナステリド錠は割ってはいけません

海外製の医薬品の中には有効成分の配合量が多いためピルカッターなどで錠剤を割って服用することを推奨するものもありますがフィナステリド錠を割ることは厳禁です。

錠剤はコーティングされていますが破損すると薬効成分が露出します。もし女性が破片などに触れると悪影響が出る可能性があります。

自分のためだけに使いましょう

フィナステリドは安全ではあるものの副作用を起こす可能性があります。

さらに使用する人以外にも影響を与える可能性があるため扱いにも注意しなければいけません。

脱毛に悩んでいる人が周りにいるからと言って譲渡したりしないようにしましょう。
その人だけではなく周りの人にも迷惑をかけてしまいます。

個人輸入代行を利用する際の注意点

日本では高価なフィナステリド錠が個人輸入代行であれば手軽に、お得に手に入れることができます。

輸入代行業者によっては千円台でフィナステリド錠を販売しています。

魅力であることは重々承知していますが個人輸入代行の購入は慎重に検討してください。
個人輸入で購入した医薬品を服用して副作用が起きたとしても補償はないですし、悪質な代行業者から偽造品や品質の悪いものを購入してしまうかもしれません。

何が起こっても個人輸入は自己責任です。

フィナステリド錠の効果を高めるためには

フィナステリド錠の効果をより高めるためのポイントを紹介します。

継続して使用する

フィナステリドの効果を実感できる(=ヘアサイクルが改善する)期間は最低でも3ヶ月から半年必要で、それまでは効果を感じることはありません。

フィナステリド錠の服用を開始して1ヶ月や2ヶ月で効果が出ないからといってすぐに諦めないようにしてください。
気長に使いましょう。

決まった時間に飲む

フィナステリドの一日の摂取量は決まっています。

不定期に服用して過剰摂取しないように決まった時間に服用するようにしましょう。

例えば、毎朝服用している人が何らかの事情でその時間に服用できず、夜に服用したのであれば翌日の朝の服用を避けてください。

最低でも丸一日は空けることをおすすめします。

他の発毛剤と併用する

フィナステリドは脱毛予防に効果がありますが発毛の効果が低い成分です。

脱毛を改善しなおかつ発毛の促進を希望するのであれば他の治療薬と併用するのも一つの手段です。

AGA治療でフィナステリドに加え発毛効果のあるミノキシジルを併せて処方するクリニックも多数あります。

髪にやさしい生活を送る

いくらフィナステリドが脱毛を改善する効果が高くても毛髪にダメージを与える生活をしていたら意味がありません。

できる限り頭皮や毛髪にストレスをかけないようにしましょう。
脂っこい食事は避け、喫煙や飲酒を控え、十分な睡眠を摂ることが重要です。

まとめ

フィナステリド錠について解説しました。

フィナステリドはAGA治療薬として日本を含め世界60カ国以上から唯一承認を得ている医薬品で効果、安全性ともに高いものです。

しかし医薬品ですので必ずリスクはあります。くれぐれも誤った使い方はしないでください。

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